箱根の森にイタリアの風が吹く…火山をいだく美術館

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おとぎの国のようなキラキラの空間❤

火山♨観光サミット三日目、エクスカーションで箱根をぐるっと見て、大涌谷の今の状態について萬年先生にご教授いただいてきたのは、先日お伝えしているかと思いますが、実は立ち入り規制がかかっている大涌谷が見られるスポットがあるんです。それがこちら、

IMAG7349箱根ガラスの森美術館です。たいへん有名なところなので、箱根に行ったことはなくとも、皆様名前をご存じなのではないでしょうか?箱根は仙石原にあります、日本初のヴェネチアンガラス専門の美術館です。

仙石原は、神山が水蒸気爆発によって山体崩壊を引き起こしたときの岩屑なだれが流れ込み、その上に、冠ヶ岳の活動によって更に土砂が溜まってできたところで、箱根の中でも貴重な平たい場所です。芦ノ湖はこの神山の山体崩壊のときに川がせきとめられた結果、できたんですって。

「仙石原ができたから、箱根にはゴルフ場があるんだよ(^^)」とか、誰か冗談で言ってましたけど、ここがなければ箱根には確かに平地はなかったでしょう。

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一歩足を踏み入れると、目が開けていられないくらい、あちこちキラッキラキラッキラしています。≧△≦オメメギュー!!なりますね……

きっと素敵な展示がたくさんあるんだろうなぁ、時間さえゆるせばじっくり見たいところでしたが、今回の目当ては大涌谷。…そう、ここから見えるんです!

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この奥の水蒸気モクモクのところが、大涌谷です。たくさん水蒸気が上がってとっても元気!見慣れれば、温泉の採取地としての蒸気か、自然散策路の上の蒸気かも見分けられるようになります。オメメギューなってる場合じゃなかったよ!

ところで、なぜ箱根にヴェネチアンガラスなのでしょうか?

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オレンジジュースをいただきながら、館長さんのご挨拶を聞くと、

『ガラスは火山の恵みです。日本に美しいヴェネツィアンガラスの美術館を作るなら、火山の恵みを感じられる場所がもっともふさわしい、それでここ箱根に美術館を作りました』

とのこと。ガラスが火山の恵みであることを、心から誇らしく思っているからこその立地、そしてこのお言葉です。この美術館は、火山の恵みの結晶なんだなと、心に響きました。

そして始まるカンツォーネ、4曲目にはフニクリ・フニクラが歌われました。

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この曲、ヴェスヴィオ火山にかつてあった登山鉄道の宣伝ソングだったんですって。私、知りませんでした。この鉄道は火山活動によって破壊されて運行を中止していますが、歌は今でも歌い継がれています。

曲のチョイスについても、ヴェスヴィオ火山の登山電車の歌ということで、火山と観光をテーマにしたサミットにふさわしいでしょう、というお心遣いがあったとお聞きしました。

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私たちがお邪魔したティーサロン、大きな窓からは、大涌谷の雄姿が見えます。火山の歌を聞きながら山を眺め、ジュースを飲めるなんて、箱根ってなんてすてきなところなんでしょうか……!!

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現在のヴェネツィアは、有名な観光名所というだけでなく、交通の要所となっています。それは翻せば、色々なところから狙われる土地柄だったということ。美しいガラスを作る職人をひとつの島に集めて保護し、交易によって権力を保ってきた歴史が、ヴェネツィアンガラスには秘められています。

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かつて火山噴火によって街を埋め尽くしたヴェスヴィオ。こりもせず、ふもとで暮らす人間たちを、愚かと思うでしょうか、それとも愛しく思ってくれるでしょうか。

箱根ガラスの森美術館には、熱い熱いイタリアの風が吹いています。

春と冬が入り混じる今、訪れれば、体も心もあつあつになること、うけあいです。美しいヴェネツィアンガラスを楽しんだ後は、温泉に身を浸すのもお忘れなく。

箱根ガラスの森美術館

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