8月1日から公開の映画、進撃の巨人(実写版)。
もうご覧になった方も多いと思います。後編の公開も今月中旬に控えてますね。
公開から一カ月近く経った先日、ようやく観に行くことができました。
ということで、ただの映画の感想を語るのではなく、ロケ地となった阿蘇のジオガイドとしての観点から、映画についてお話したいと思います。
まず冒頭で、エレンたち三人が壊れたミサイル(ロケット)のある丘にいた場面。アルミンとミカサが草原の坂を駆け上ってくる辺りから、阿蘇の南小国町、押戸石の丘の風景になります。
押戸石の丘 巨石群
この巨石群、別名を「鬼のお手玉」といいます。力持ちの鬼が戯れに大きな岩を並べたり放り投げたりして遊んだかのような様子が思い浮かびますね。丘の山頂付近にはシンボルともいえる巨大な岩が鎮座し、その周辺には、似たような大きさの岩が規則的に並んでいる箇所があります。
縄文時代の古代の祭祀場だったのではないかと言われ、巨石にはシュメール文字が書かれているとも……
私も何度か訪れましたが、とてもミステリアスで、周囲は開けているのに、不思議な力で包まれているような、そんな印象を受けます。実はここでちょっとびっくりするような体験もしていますが、今回はその話は置いておきます。
草原の向こうに阿蘇五岳を望む
とても見晴らしがいいところでしたが、劇中ではこの草原の向こうに壁が築かれていました。なので五岳は見えません。ざんねん。
その、壁がぐるっと囲んでいる風景なのですが、カルデラの中からカルデラ壁を見たときの様子にぞっとするほど似ています。
烏帽子岳山頂から俵山方面 奥の山並みが外輪山
カルデラの中で産まれて育った自分は、壁、と言われてもあまりぴんときませんでしたが、映画の劇中の景色を見てやっと納得しました。そうですね、とっても壁です。ウォール阿蘇です。
もっともこのウォール阿蘇、切れ目があるので、巨人の出入りは自由ですが。
作中のロケ地としてはほかにも色々あるんですが、壁外調査隊が外の壁を目指して進む道中で、車を降りて周囲を警戒する場面があります。そこで出てくるのが……
あか牛の群れでした。壁の中で育てるのは、気性が穏やかで育つのが早いあか牛なんですね(笑)!
「人間以外食わないのかよ」という台詞は、あか牛を見て思い付いたかもしれません。
阿蘇ジオパークのガイドとしての映画の見所は前半40分に詰め込まれてしまっているのですが、これだけでも観に行った甲斐がありました。
ちょっとだけ映画の内容そのものについての感想を……。私、原作のほうのファンなのですが、映画も悪くはなかったです。ハンジさんが最高でした。完璧にハンジです。迫力のある画面と緊迫感に満ちた進行の中で、一服のやすらぎでした。
ということで、このレポを見て興味が湧いた方、まだ間に合います。映画進撃の巨人、観に行ってください!