10月29日、2015火山砂防フォーラムが阿蘇で開催されました。
火山防災に取り組む自治体の首長や熊本県知事など、多くの関係者が参加し、これからの火山と人間の付き合い方を考えるフォーラムです。
くまモンの歓迎に会場が沸きます。「阿蘇はでっかくて広くて馬にも乗れる、たのしいところだモン!みんな、熊本を、阿蘇を、たくさん楽しんでハイよ!」とのご挨拶。
ほんとうにどこにでも出ますね、この黒いクマ野郎。
私が今回のフォーラムで注目したのが、地元の中高生がそれぞれ火山との付き合い方を考えた研究発表でした。
阿蘇市立一の宮中学校の2年生のみなさんは、来年、小学校が合併し、同じ敷地で学校生活を送ることになったことを踏まえて、通学路の危険個所マップをとりまとめました。
写真では1枚だけですが、左側にもう1枚同じサイズのマップがあります。
専門家のアドバイスなども取り入れながら、一か所一か所丁寧に危険個所をまとめてありました。マップのアイコンなども、自分たちで考えて作りあげています。
今後、このマップをパンフレット化して各家庭に配布したり、看板にして掲示するなど、阿蘇市の防災に役立ててほしいと、市への要望も示されました。
後輩の為にと、一生懸命作りあげたことが伝わります。とてもいいチャレンジだったのではないでしょうか。これからは、危険個所マップを活用して安全に活動するとともに、何故そこが危険だと判断したのか、という危険予知能力をはぐくむ方向でも、がんばってほしいなと思いました。
阿蘇中央高校1年生は、観光客へアンケートを取った結果をもとに、阿蘇の安全性をアピールする方法や、阿蘇の魅力を詰め込んだ食事メニューの開発など、経済活動にまで視野を広げた研究成果を見せてくれました。
立ち入り規制がどれだけの人に伝わっているか、のアンケートは、それを行った努力にも、結果をしっかり目に見える形にしてくれたことについても、今まで私たちが印象でしか語っていなかったことを数字化してくれたという点で、頭が上がりません。
高校生目線でのジオ要素を含んだツアーの作成は、若い世代を阿蘇に呼び込もう!という熱意に溢れるものでした。同じ世代だからこそ、相手に訴えかけるツアー内容が作れるのかもしれません。旅行商品としてオプションで提供し、高校生自身でツアーを案内したら、楽しいものになりそうです。
休憩後のパネルディスカッションでは、火山砂防とジオパークとの連携強化が方針の一つとして示されました。ジオパークのガイドとして、安全面への取り組みについてもお客様へ自信を持って説明できるようにしておかなければと感じました。
霧島の全国大会から立て続けに火山まみれで、頭の中がカルデラ陥没起こしそうになりましたが、充実した3日間でした。
楽しく面白いジオパーク、それを伝えるガイドがまず楽しむこと。全国大会の大きな結論でしたが、この中には、安全管理を的確に行うことも含まれていました。今回のフォーラムに参加することで、安全管理や防災という面が強化されました。今後のご案内に活かしていけるように、がんばります。