JGNジオガイドフォーラム@伊豆半島②

IMAG0002伊豆半島で行われたジオガイドフォーラム、二日目の行程は現地オリエンテーションです。

1930年、今から86年前に起こった北伊豆地震。この丹那断層公園では、その爪跡を見ることができます。

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看板には、日本列島の中の伊豆半島の位置や、伊豆半島の成り立ちから、この公園でどういった地質地形がみられるのかを説明した内容が書かれています。

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まずは、現地伊豆半島GPのガイド大坂さんから、叩き台となるガイドをして頂きました。

IMAG9972公園の中で、何がどういう状態で残っているのかというお話。

IMAG9985更に、それが地面の中ではどうなっているかという話。

そのとき、被害はどれほどのものだったのか、更に鉄道のトンネルを掘ることで変化した盆地の使い方について、など、さまざまな要素が順を追って語られます。

IMAG9999このガイドをもとにして、自分たちが設定したお客様相手にガイドを行う、というのが、この後の行程となりました。参加者は3班に分けられ、それぞれガイド内容やお客様の設定について話しあいます。

私が参加した1班では、小学3年生、小学5年生の子ども二人を含む家族4人連れをガイドするという設定で行い、小学生にも分かりやすく、それでいて大人にも伝わりやすいガイドにするというところを狙っていきました。

私が小学3年生役、そして、班の命運を託したガイド役は、

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伊藤靖子ガイドです!

「ここは地面がお相撲した跡がみられるところなんですよ」と興味を引き、子どもに押しあいっこをさせたり、地震の痕跡を見つけさせたり、大人に向けて更に説明を足したりと、柔軟で優しいガイドをしていただきました。

押しあいっこについては、実際の地面の動きはもっと複雑であることを別に説明・補足する機会が必要と助言を頂きましたが、全体的にはよくできていたと講評をいただきました。

IMAG00052班は、ガイド対象が会社を定年退職したグループの旅行ということで、雨がしのげるところからのスタート。意外性がありましたし、天候にも合わせてあって、心遣いがみえます。バトンリレーならぬマイクリレーで、全員が一丸となったガイドを披露してくださいました。

足元を気遣う声掛けや、ご案内の対象となる年代に合わせたネタなども仕込んであって、うならせられます。

IMAG00143班は、地元の中学生のふるさと学習という設定で、今回新しく赴任してきた先生と、引率の先生のかけあいで話が進みます。ここに来ると、先にガイドが済んでいる他の参加者も、それぞれ生徒の中学生役になりきりはじめ、全体を引率する形に。結果、大人数をガイドできる技術をも見せることになりました。

熊本で起きた地震も、断層によって引き起こされたものです。今回、この公園を見て、3組のガイドに参加したことで、熊本地震における阿蘇ジオパークでの伝え方を考える足がかりとなりました。

目に見える形で痕跡を残し、説明をつけておくこと。

できれば、ここで営まれていた以前の暮らしと比べられる形にすること。

そして、体験者の話が聞けるうちに、しっかりと聞き取りを行い、資料として残すこと。

現在、阿蘇ジオパークにおいても、各ジオサイトの被害の調査が進んでいます。災害遺構としてどのような形で断層や被害に遭ったものを残していくかについても話し合いが行われ、それを語り継ぐ役目を阿蘇ジオパークが担うことが期待されている、そんな状態です。

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語り継ぐのは、悲しさ、怖さ、辛さだけではありません。

ひとびとの暮らしにとっては災害でも、地球にとっては、あたりまえの活動だということ。そして、人間はそれを知って、呑んで、工夫して暮らして生きていくしかないことを、しかし、楽しく、元気に、伝えていく。

それがこれからの自分たちの役割なんだという覚悟が決まった、そんな二日間となりました。

もうすぐ、阿蘇のガイドも、地震を語れるようになります。

皆様にお伝えするときのために、今から、しっかり勉強いたしますので、いつか聞きにきて頂ければと思います。

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