火山に着いて学ぼうという、いいきっかけになりそうな記事です。
【主張】火山と暮らし 「学び」が備えの第一歩だ 産経ニュース
火山に着いて学び、火山と暮らす意識を持つことが、防災の第一歩。いまのところ、この認識は火山関係者か、火山大好きな人まででとどまっているように感じられます。
噴火警戒レベルが上がった、コワイ!だけじゃない、その先の火山との付き合い方を提供したくてこのブログを始めましたが、少しでも、この第一歩のお手伝いになればと思っています。
先日、イタリアはポンペイ遺跡を見に行きました。ヴェスヴィオ山を望む風光明美な場所に、立派な建物や文化がありましたが、ご存じの通り降灰によって埋め尽くされ、滅びています。
直截的な原因はもちろん噴火なのですが、実はこの噴火の17年前に大きな地震があったそうです。遺跡には、その復旧作業中だったとみられる箇所もいくつかありました。
これは全く私の予想でしかないのですが、17年前の地震から街を立てなおす為に税金や労働力が費やされ、火山を観測するための機関や人員を削っていたのではないでしょうか。
火山は常に観察しつづけなければいけません。毎日見ていれば、噴煙や地震などの噴火の予兆を見逃すことはまずありません。ヴェスヴィオが灰に埋まるに至ったのは、火山の観測者による警告がなされなかった、または、警告が届かなかったからではないかという印象を、遺跡を見て抱きました。
あるいは、当時の政治的な状況をもうすこし調べれば、悠長に火山を見ている場合じゃない、といった社会の雰囲気があったこともわかるんじゃないだろうか……極端な社会不安から目を背ける為に娯楽に逃げ、自然環境と向き合うことを忘れてしまったのかもしれない。文化的にも技術的にも、豊かで美しい場所でしたが、それが不安から逃げる為のものだったように見えてなりませんでした。
その豊かさももちろん、火山と海が織りなす風光明美の恵みなのです。
そういう印象も、火山について多少なりとも学んだから抱くわけで、その視点から見れば、いろいろなところが私たちへの教材であり、警告であるのではないでしょうか。