小国郷といえばココ!というくらいに有名になってしまった鍋ケ滝。以前は知る人ぞ知る穴場スポットでしたが、今は遊歩道も整備され、すっかり人気の観光地になりました。かねてよりのファンとしてはうれしい限りなのですが、子どもが独り立ちしたいようなさみしさもありますね(笑)。
せっかく小国に来たのに、人が多いところにわざわざ行くのはちょっと気が進まないなーという方のために、今回は、静かでオトナな小国の穴場スポットをご紹介します。
タイトルに、わざわざ「ほんとはナイショの」を入れるくらいの、本気の取って置き物件です。心してご覧ください。
まずは、小国町市街地にほど近い、けやき水源のご案内です。こちらは小国両神社の前の通りから、少し入った川岸にある水源です。阿蘇の水源というと、町中から無節操に湧き出していたり(どことは言いませんが…)、田んぼのあちこちからこれまた無節操に湧き出していたり(どことは言いませんが。)と、かなりアグレッシヴな印象ですが、
この水源は、大きな古いけやきの根元から、静かに湧き出しています。木陰に包まれた穏やかな雰囲気で、そばを流れる川の音に癒されます。神聖な雰囲気に気圧されて言葉が出ない、というわけでもないのですが、自然とおしゃべりが少なくなる、不思議なところです。
鴨が連れ立って遊びに来たり、肩にとんぼが止まったりと、自分が自然の一部になるような体験ができますよ。また、川のほとりをよく見ると、水が湧いているスポットが見つかりますので、そこに手を入れてみると面白いと思います。世界に生まれてこようとしている水に、最初に触れることができるなんて、素敵じゃないですか?
次におすすめなのは、木魂館。小国杉をふんだんに使った巨大建築のひとつで、地域づくりの拠点でもあり、ホールや宿泊施設を備えた総合施設でもあります。おとなりには食事処と温泉が併設されており、合宿や勉強会などに使われていますが、玄関を入ってすぐのところには、小国のお土産物も揃っていて、立ち寄って小国杉建築を見学するだけでも楽しいところです。
おすすめのお土産は、小国杉を使ったアルファベットパーツ。文字の端正なフォルムが、木目と色合いでこんなにも温かくなるんです。表札に、ルームプレートに、いろいろな使い道がありますよ。
おひとつ160円。阿蘇ジオパークは、しめて1600円でございます(笑)。さておき、お好みのパーツを並べるだけで、お部屋のインテリアをぐんとセンスアップできます。ぜひお土産にお持ちください。
小国も今はオシャンティなカフェが増えました。都会的なセンスのお若い方たちが、カップを前にインスタグラムに上げる写真をパシャーパシャーと撮影していたり。
私はただ、甘味を楽しみたいだけなのに。そんな、オシャンティなカフェが微妙に居心地が悪いあなたには、杖立温泉の名物スイーツをが楽しめる隠れスポットをご提案したいと思います。
杖立といえば、そう、プリン。ここには、プリンが日本に登場するよりもずいぶん前から、卵に甘い味をつけて蒸気で蒸すという甘玉子というお菓子があったそうです。今、杖立温泉全体で、この伝統の甘玉子に倣って、工夫をこらしたプリンをおすすめしているところなんですが、その中で特におすすめなのが、こちら。
ふくみ山荘のほろにがプリン。プリンといえばお子様の食べ物、という固定観念を打ち崩し、大人のほろにがを楽しめる方向けに、丁寧に作られたこだわりのプリンです。上手に蒸すには、杖立温泉の蒸気は温度が高すぎ、コントロールが難しいと、以前聞いたことがあるのですが、ここのプリンは正真正銘、温泉の蒸気を利用して蒸しあげているそうです。伝統の甘玉子に最も近い製法で作られている点でも、他のプリンの追随を許しません。
底のほうには、大人にふさわしいほろにがカラメルソースが潜んでいます。プリン部分だけを食して、豊かな卵の風味を感じたあとは、このカラメルソースをプリンに含ませてお召し上がりください。優しいのに、ちゃんと芯が通った、すっきりとした味わいに、きっと驚くことでしょう。
入り組んだ小道の奥にあるふくみ山荘に、たどり着くまでもひとつの冒険。静かだけどアットホームなロビーでいただくプリンは、小国の楽しみの極みだと、私は思ってます。
いかがでしたか?今回は、静かに小国を楽しみたい方向けの、隠れた名所とデザートをご案内してみました。
いずれも、ガイド山崎がほんとは内緒にしたい、おすすめスポットでございます。お立ち寄りの際はどうぞ、大人の余裕をじゅうぶんにご用意の上でいらしてください。