ジオパークへ行こう!パブリックセッションレポート☆

引き続き、地球惑星科学連合大会の模様のレポートです。

大会初日、22日の午後に行われました、パブリックセッション「ジオパークへ行こう!」。

室戸UGP、アポイ岳UGP、ゆざわGP、銚子GP、Mine秋吉台GP、伊豆半島GPの6つのジオパークが発表を行う、楽しい企画でした。

セッション開始に間に合わず、最初の室戸UGPと、アポイ岳の発表の半分を聞くことができなかったのが残念ですが、室戸の発表はブリを自転車のカゴに乗せて運ぶブリチャリとか、このブリを育てる為に揃える材料としてフィリピン海プレートが挙げられていたりと、スケールの違いを感じる内容だったそうです。

アポイ岳の発表は、かんらん石と、サイトにアイヌの言葉や伝説がしっかりと根付いていることなど。

アポイ岳がどういうところなのか、説明したスライドです。絵が可愛いですね。プレートとプレートの境界で地面がめくれ上がったという壮大な話をしているとは思えないくらい……(笑)

他の説明のところも、こういうイラストを使うと、親しみやすく、分かりやすいのでは、という意見がでていました。もしそれが実現したら、めっちゃ見てみたい!

アポイの売りといえばかんらん石ですね。このかんらん石についても、

「新鮮なんですよ!」「地球の中身、お見せしますよ☆」などのフレーズをつけることで、わくわくするよね、というお話もあり、確かにそう言われると、わくわくするよなぁ、と思いました。

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スライドとスライドの間に、セクシーなねこちゃーん❤ すみません、これすごくハマりました……

ゆざわジオパークの案内人は、山﨑さん。おなじヤマサキとして、親近感。

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ゆざわジオパークエリア内には、現在活発に活動している活火山はありませんが、大昔に活動した火山の溶岩や灰による地形、また、ゆっくり冷えつつあるものの、今も熱を供給し続けているマグマ溜まりの存在などから、見えない火山の恵みについてお話がありました。

アクティヴな火山のそばだと、恵みと災いは紙一重ですが、ゆざわは火山の恵みをたっぷりと受けながらも火山由来の災害のない、恵みの大きな土地ということで、たいへん妬ましかったです(笑)。

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銚子ジオパークは、以前突撃したこともあって、好きなジオパークのトップ5に入るところです。ご案内してくださった小玉氏、手作りでしょうか、マスコットキャラクターの頭部によく似たハットを被っての登場です。

江戸時代の利根川東部変遷から、水路が発達し人の交流と物流の拠点となった歴史のこと、しょうゆ文化の伝来のこと、などなどなどなど。以前お伺いした時、屏風ヶ浦の崖にみられるナナメ線が、東京では地下3キロのところにあることを聞きましたが、銚子はいろいろとそれだけじゃないおもしろいところでした。

ここは、ぜひ現地に行ってガイドさんの説明を聞いてください。みんな、すーっごく、楽しいガイドをして下さる方ばかりです。

ところで、Mine秋吉台の発表の中で注目を集めたのは、こちらでした。

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「住民の方に聞いてみよう!」という、説明しない看板の存在。

これは、ジオパークの看板には分かりやすくかつ説明に漏れがないように更に出来れば4ヶ国語少なくとも英語併記で看板を各地に立てなきゃーータテナキャーー!と思いこんでいた我々にとって、たいへんな衝撃です。

要するに、この看板の前で、「○○についてお話をしてください」と、畑仕事の帰りのオバチャンとか犬の散歩をしているお父さんとかに話しかけると、彼らがその話をしてくれる、というものだそうです。

Mine秋吉台は、住民がガイドたりうる、希有なジオパークでした。

外部の方にフレンドリーな地域の気質があってこそ、ということで、地形と人の生活が密着したジオパークだからこそ作れる看板だと、私は思いました。

更に、草原の中に鉄砲の弾が落ちているミステリーが紹介されましたが、答えはヒミツにされました。現地に来いということですねわかります。こういう、謎でひっぱる構成も、たいへんお見事に決まっていました。

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伊豆半島ジオパークになると、伊豆半島の成り立ちの説明の中に、ちょいちょいと他のジオパークで聞いてきて下さいというフレーズが出てきました。火山が運ばれてぶつかってくる話は伊豆大島へ、向こうの山の話は南アルプスへ、といった具合で、ジオパークの横のつながりの強さがにじみ出ているご案内です(笑)。別名、丸投げジオパーク……と思ったのは、決して言いすぎではないと思ってます。

ガイドは、つい自分のジオパークの勉強だけに終始してしまいます。ですが、このような横のつながりを活かす広域的な目線のご案内をする為には、他のジオパークのことも勉強しないといけない。伊豆半島のガイド、ご案内内容の、レベルの高さがよくわかりました。

そして、これらのご案内が終わると、質問タイムです。「この説明はどういうこと?」「ここはもっとこういう言い方にした方が分かりやすいかも」など、忌憚のない意見が行き交いました。

全体的にはほのぼのとして、拍手も笑い声もあたたかく、ジオパークの雰囲気の良さに包まれた、とても素晴らしいセッションだったと思います。

来年行われるときには、もっとたくさんの皆様に、このぬくもりがお届けできますように。

……そして今度は私が阿蘇の紹介をできますように……――(ひそかなやぼう)

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