箱根山:火山のリスクと向き合い安心を

箱根・大涌谷の火山活動によって、火山活動レベルが3に引き上げられて、やがて一カ月になります。

地元では、今こんな取り組みがされているようです。

箱根山:火山のリスクと向き合い安心を 毎日新聞

地元の人たちが、「いかに自分たちの身を守るか」から、「身の守り方を伝えて、観光客も安心して過ごせるように」へとシフトチェンジを図っています。

突発的噴火が起きたら、まず堅牢(けんろう)な施設や木造建物の1階に逃げ、その後あらゆる交通手段で小田原方面へ避難

という大きな指針をベースに、防災マップの配布やホームページでのお知らせをしています。防災マニュアルには英訳もついており、外国人観光客にも避難の指針が伝わるように工夫がこらされています。

火山防災への取り組みは各地で行われていますが、トップを走っているのが有珠山。火山についてあらゆる角度から勉強を重ね、厳しい認定試験をくぐりぬけた住民が火山マイスターに認定され、噴火が起こった際には避難活動の指揮をとります。

自治体が避難活動に取り組むよりも、住民が自ら自分たちを守る為のアクションを起こした方が、防災という点で優れている、という考えのもと、現在もこの取り組みが続けられています。

岡田弘・北海道大名誉教授(火山学)は

「火山の状態を住民自身が発信することで、情報への信頼が高まる。噴火の経験をした住民同士が連携して自然と向き合えば、地域は災害に強くなる」

と記事中で語っています。箱根では、地元の要望が高まれば、この火山マイスター制度の導入も考えているとのことです。

山を熟知した地元の人の主導のもとで、防災計画や避難活動が行われ、現地の安心につながっていく。気象庁が火山活動レベルを上げても、まず地元の人に、山の様子や現地での過ごし方を聞いてみよう、という方向になっていく。

今が、そのような時代の変わり目なのかもしれません。

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