地元産まれのジオガイドがこっそり教えます…阿蘇の雲海ベストタイミングを逃さないコツ

阿蘇の恋歌という歌があります。

阿蘇の噴煙を「燃ゆる想いか」とあらわす歌詞があるので、たぶんこの歌が出来た頃、阿蘇中岳は元気に活動していたんじゃないかと思うのですが、この冒頭の歌詞が阿蘇の気象を一言で表現してしまっているので、ちょっとご紹介したいと思います。

阿蘇は朝霧 昨夜は夜霧よ

阿蘇のような盆地地形では、霧が発生しやすくなります。ところが、実は霧に覆われているのは谷の中だけで、ひとたびお山の上に登るとそちらは晴れているということがよくあります。

秋に発生することが多く、去年は綺麗な雲海がよく見られたと評判でしたが、今年は梅雨のさなかにも見事な雲海がたびたび発生していたようです。

朝霧のなか

夜に霧が発生したら、早めにお休みください。そして、朝、いつもより早く目を覚ましましょう。4時半から5時くらいがベストタイミング。目覚まし5つかけてでも起きてください。

窓の外が写真のような状態だったら、パジャマでかまいません、上着を羽織って、外輪山を車で駆け上りましょう。視界が悪いので気を付けてください。ライトを付けると安心です。

おすすめのスポットは大観峰です。外輪山の輪の中に突き出た岬の突端に展望所がありますので、雲海を楽しむには最適。峠道を上るうちに霧が薄くなったら、雲海を見る確率は上がります。窓の外の景色を注意深く観察しながら進みましょう。

ミルクロードまで出て晴れていたらしめたものです。もう間違いなく雲海は見られます。

大観峰まで到着したら、車を停めるまでは徐行で注意深く進んで下さい。他にも雲海をめあてに来ている人がいると思います。事故を起こさないようにご用心ください。

そのまま谷の方へ進んでいくと……

雲海

このように、綺麗な雲海が見られるという寸法です!

北外輪山の方からこのように阿蘇五岳を望むと、お釈迦さまが横たわっている姿のように見えませんか?涅槃像と呼んでいますが、絶妙なネーミングですよね。

雲の海の中に、涅槃像。とても神秘的な光景です。

この雲海、一年のうちに20日ほどしか見られない気象現象と長らく言われてきましたが、どういうわけかここ2年ほど当たり年が続いています。雲海ハンターにとっては嬉しい限りです。

コツは、2泊、3泊と少し長めの日程で泊まること夜に霧が出ているかどうかがカギになりますので、よく周囲のお天気に注意を向けておいてください。自然現象なので必ず見られるとは言えませんが、私はこの風景、一見どころじゃない価値があると思います!

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