相模原市博物館で阿蘇の火山灰に会う

阿蘇の9万年前の噴火は、九州の三分の二を火砕流が埋め尽くし、北海道にまで火山灰が届くほどの大きなものでした。

全国に残る阿蘇の火山灰地層に会う旅、第一弾は相模原市博物館です。

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山梨県上野原町で採取されたASO-4(左側の剥ぎ取り層、中央の明るい灰色の部分)

こちらの博物館、プラネタリウムや天文展示室が充実しているので、天文方面がお好きな方もよくご存じなのではないでしょうか。私の今回の目当ては、相模原台地の変遷の展示でしたので、天文方面はガマンでした。

台地の生い立ちコーナーでは、ナウマン象の頭骨標本がででんとお出迎え。インパクトがあります。

もちろん関東圏ですので、ローム層の説明は外せないんですが、ここでは地層の年代を判別するための火山灰層についての解説が、とても充実していました。

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こちらは火山灰層と段丘砂礫層との関係という展示です。鬼界アカホヤに阿蘇4と、九州の火山がとても頑張っています。日本地図が頭に入っている子だったら、これを見ながら、遠い火山の灰の層と、近い火山の礫層の違いを教えてあげると喜びそうです。

「火山灰は軽いものが風に乗って遠くに届くんだよ、だから遠い火山の灰は粒子が細かいんだよ」

相模原では阿蘇はこんな細かい灰として積もってるんですね。この目で見られてとても嬉しかったです。露頭で見ると、多分もうすこし違った感動があったかもしれませんね。鬼界アカホヤは、阿蘇でも見ることができますが、ここでもやっぱりオレンジ色が綺麗でした。

ここで話題の阿蘇は阿蘇4だけではありません。顕微鏡コーナーでは、阿蘇3の火山ガラスも展示されていました。猛烈な阿蘇推し、ありがとうございます!

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右上部分で、それぞれの採取場所による阿蘇4火山灰の火山ガラスの見え方の違いを解説しています。

こういう展示は、阿蘇から離れたところならではかなぁと思います。

 IMAG5432色が強くて少し見づらいですが、この展示がとても面白かったです。今までに巨大噴火を起こした火山の、火砕流と火山灰のそれぞれの影響範囲を、グリーンの明かりで示すというものなのですが、この写真は阿蘇4火山灰の影響範囲。左のやや下に、ぽつんと明るい点があります。そこが阿蘇を示しています。

火山それぞれのボタンを押すと、影響範囲が少しずつ示されています。よく観察すると、明かりの強さと広がり方が、火砕流のスピードや火山灰の量を表現しているようです。

阿蘇4の噴火の影響力は知っていましたが、このようにスピード感とインパクトのある表現で目の当たりにすると、あまりのすごさに笑っちゃいます。

最後は、地質担当の学芸員、河尻清和氏に、相模原でみられる阿蘇4層についてお話をお伺いしてきました。現地の状況から観察のタイミング、準備物に至るまで、丁寧に教えていただきました。河尻先生、ありがとうございました。

阿蘇の火山灰層に出会う旅、第一回は相模原市博物館からお送りしました。

※募集※

ウチの近くで阿蘇4見られるよ!この博物館でも阿蘇の火山灰層の展示があるよ!といった情報がありましたら、ぜひぜひコメントで情報お寄せください。ガイド山崎、飛んで参りたいと思います。

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