熊本地震:建設ダム直下活断層か 専門家「造るべきでない」

熊本地震:建設ダム直下活断層か 専門家「造るべきでない」 毎日新聞

川辺川ダムの建設中止、荒瀬ダムの撤去と、ダム事業に関しては先進県ともいえる熊本ですが、2012年の九州北部豪雨災害の際、熊本市内の白川流域で氾濫による被害が出たことから、一度は計画見直しとなっていた立野ダムの建設が再開されることになりました。

しかし、熊本地震によって、立野ダム計画の危うさもまた浮き彫りになってきました。

このニュースでは、熊本地震の原因となった活断層、布田川断層が、立野にも伸びている可能性を専門家が指摘したことについて触れています。

産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の吉見雅行主任研究員は、

「立野ダム周辺では土砂崩れが起きており地表で活断層を確認できていない。だが、大切畑ダムと阿蘇大橋の中間に位置するため、近くに活断層がある可能性が高い」

と指摘しています。

更に、日本活断層学会の宇根寛副会長は

いくら頑丈にしても、真下に活断層があればずれる。基本的に活断層がある場所には造るべきではない」と話している。

旧建設省も、84年、活断層の真上にダムを建設しないとの指針を出しています。もし立野にダムを作ったとしても、期待された効果を発揮する前に断層の活動によって崩壊する可能性がある、ということです。

もし立野ダムが建設中であったとしたら、この地震によって少なくない数の作業員が犠牲になっていたでしょうし、巨大建造物の崩壊による自然環境、そして人が暮らす環境への影響は多大なものであったことは、間違いないでしょう。

第三者機関による現地の地質の再調査を行うとともに、ダムありきの計画の進め方も、今一度見直すべきだと思います。

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